副社長インタビュー#1―「新卒入社出身で副社長に就任」水谷 潤の頭の中をのぞいてみた

水谷 潤(Mizutani Jun)
インタビューを受けた人
水谷 潤(Mizutani Jun)

ブイキューブ取締役副社長 国内COO
2006年新卒入社
映像コミュニケーション事業へ転換のタイミングで入社。2015年営業本部長、2022年取締役副社長COO。新規事業コンテストのNAC(Next ATARIMAE Challenge)を2020年から企画し責任者を務める。サウナ好きソバーキュリアス。

佐々木 つぐみ(Sasaki Tsugumi)
インタビュアー
佐々木 つぐみ(Sasaki Tsugumi)

ピープル・サクセス室
2018年新卒入社
営業→人事へキャリアチェンジ
人財開発・労務・採用など幅広く挑戦しています
週末はJリーグ観戦三昧です

今回は、取締役副社長 国内COOの水谷 潤のロングインタビューをお届けします!前編では、主に思考やパーソナリティに焦点を当てていきます。

若かりし新卒入社の頃に考えていたこと、そして、今、副社長になって考えていること。

ブイキューブ一筋16年、水谷のキャリアにおけるかなりユニーク!?な「思考の裏側」をたっぷりとお伝えしていきます!

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よろしくお願いします!水谷さんは新卒1期生として入社されていますよね。まず初めに、ブイキューブへの入社理由を聞いてみても良いでしょうか?

水谷

3つありまして、1つ目は、就職活動をする中でベンチャー企業の方が自分に合うんだろうなと思ったこと。2つ目は、これからインターネットでの遠隔コミュニケーションが普通になっていくんだろうなと思ったこと。そして、3つ目は当時26歳だった間下さん(現、代表取締役会長 Founder & グループCEO)との出会いでした。

当時はネットワークがまだ悪い時代で、映像も出ないけれど、海外の人と喋れるような「Skype」が出立ての時期で、それを触っていく中で、「インターネットの可能性って面白いな」と思ったんですよね。また、当時のブイキューブは現在の「YouTube」のような映像サービスをやっていて、間下さんから「こういうの、自分の企画次第でできるよ」と言われたのが印象的でした。

実際にブイキューブに入社してみて、いかがでしたか?

水谷

当時は自分の中に社会人としての軸が無かったので、「先輩から言われたことを愚直にやっていく。やるべきことを提示されてそれをやる。無いものがあれば作成する。こういうもんなんだ。」という思いで、がむしゃらに実行していました。ベンチャーですし、仕組みや教育システムなどは何も無いだろうと思っていたので、まあこんなもんかと。

正直、2年半くらいは、いやもっとかもしれませんが、割としんどいなという感じでしたよ。社会人になるってこういうことなんだ、しんどいな、毎週月曜日が嫌だな、みたいなのが正直なところです。ただ、遠隔コミュニケーションや映像コミュニケーションに関しての可能性は、苦労しながらもめちゃくちゃ感じていました!

元々、中学・高校では野球をやっていたのですが、それもある程度やらないと結果は出なかったですし...勉強とか、なんでも同じですよね。「とりあえず1000日くらいはやらないと何ともわからない」という感覚があったんですよ。だから、つらいし、眠いし、嫌いだけど、やるか、という新卒1、2年目でした。

「1000日くらいはやらないとわからない」と思っていらっしゃったんですね。

水谷

過去の小さな成功体験などを振り返ると、昔からそのように考えていたと思います。何もやっていないのに文句だけ言う人っているじゃないですか。個人的には、それはダサいと思っていて。とりあえずやってみて経験した結果、自分の中にある程度枠組みが出来て、大枠を掴んだ上でより良い形に工夫して、進めていくイメージですね。

入社後半年とかは、パソコンのキーボードもまともに打てず、本当に何も出来ず辛かったんですが、野球で言うと、素人がバッターボックスに立っていきなり140kmの球を打てないのと同じで、「まあ仕方ないか」という感じで耐えていました。

しんどいけど、ベンチャーだし、やらないとわからないし、と思って挑戦されていたんですね。そうやって耐えていた時期から、「わかってきたな」と感じられるようになったのはいつぐらいでしたか?

水谷

まず、ここからかなという土台に立てたのが、入社して1年半とかぐらいですかね。

どうしたら営業担当として貢献できるかを考えた時に、まずはブイキューブの自社サービスに関して誰よりも詳しくなり、その知識をもとに自分でも使い倒し、その経験をもとに自分でゼロから案件を創出して、自分で提案して、自分で契約まで持っていき、かつ、1年間利用を継続してもらえたら、一人前と言えるんじゃないかと思ってやっていました。先輩や上司の力も借りず、一通りセールスサイクルを経験してみることが自分の中での一人前的なイメージで、その結果、積み重ねで売上や利益が生まれて、会社に貢献していけるのかなと。

次第に、当時のブイキューブにとって外せないようなお客様を担当するようになりました。ということは、「水谷に任せときゃ、何とかしてくれる」と思ってもらえたが故に任せられたのかな、と。周りに認めてもらえていたのかは正直分かりませんが、見られ方の少しの変化は起きたのかなと思いました。

これまで、そういったことを地道に積み重ねてこられたのでしょうか?

水谷

そうですね、そういう感覚です。要は、都度自分の中で「我々として次にこうあるべきで、そうであれば自分はこういう形を目指そう」みたいなものがあって、その積み重ねを2、3年のスパンでやってきました。そのサイクルが節目節目の役職拝命などと連動したこともあって、飽きずにブイキューブに残っているんだとも思いますね。あれやれ、これやれ、と、その都度やることが変わって、求められることも変わるので、「じゃあやるか」みたいな繰り返しでしたね。

水谷さんにもそんな積み重ねがあったんですね。ちなみに、2022年4月から副社長になった現在の水谷さんにとっての「やること」「求められること」には、例えばどんなことがありますか?

水谷

ブイキューブが100年続く会社になるための橋渡しとしての、既存事業の成長と、新規事業創出ですね。社内では「OrgaNAC(オーガナック)」と呼んでいます。

既存事業については本部長と一緒に伸ばしつつ、新規事業創出の活動もしています。大手の顧客を開拓していく事も重要になってきており、最近では大企業の役員クラスの方と接点を持つ機会も増えてきました。

先日、その大企業の役員陣と即興で3分間のプレゼンをし合い、それぞれが採点した上で、フィードバックをする、というプログラムに参加してきました。これが、めちゃくちゃビビりまして(笑)プレゼンの直前に心拍数をみると、141を記録していて。「こんなに心拍上がってるし、めっちゃビビってるやん。」と自分に思う訳ですよ。

意外です!水谷さんでも緊張するんですね。

水谷

僕、めちゃめちゃ緊張しますよ。周りにも「緊張しなさそう」って言われるんですけど、本気で人と同じかそれ以上に緊張する人間です。緊張してるということは自分に期待してるということじゃないですか。カッコいい自分に期待して、プレゼンが上手くいかなかったらどうしようって思っちゃうんですよ。その都度、「俺ちっちぇえな」って。「俺ちっちぇえ、まだビビってる」って。でもまあ、こういうのは場数だなって、そういう気持ちでいつも緊張しながら臨んでいます。本当に、ただのビビり人間なんです、僕。

そんな中で、最近気付いたんですよ。間下さんは僕以上にそういうプレッシャーを感じる場面に、そういう場だと思わずに飛び込んでいき続けているんだって。シンガポールにいきなり住んで現地ネットワーク作るとか、いきなりアメリカに飛んで現地で新しいサービスをソーシングしてくるとか、「何でそんなことが出来るんだろう?」と思っていたんです。

昔、間下さんに「何で英語必要になったんですか?」って聞いたら、「いやプレゼンしろって言われたんだよ、英語で。何も話せなくてさ。」って言われて。「良く受けましたね、そんな話。」って言ったら、「受けてみないとわかんないじゃん。」ってノリだったらしくて。

そういう風に、間下さんは様々な場で「その場でなんとかする力」を培ってきたはずで、その結果あんな風になったんだと思うんです。それはある意味、間下さんにとっての修羅場なので、その経験を積み重ねるとあれだけパワフルになりますし、動じなくなるんですよ。ただ、それだけなんですよ。それを普通に淡々と涼しい顔して続けている人なんですよ。周りから見ると、そういう行動の継続が「努力」ってことなんだと思うんですけど、本人は興味関心やビジネスチャンスとして動いているので、「これが努力だな」と考えて行動してる訳でもないと思います。

自分も、最近「外にネットワークを持て」とか、「外へのアンテナを張れ」とか、「そこに行ってみろ」とか、皆さんに伝えていると思うんですけど、そういうのは間下さんが一番やっていますし、背中で見せてくれているんだなって感じていました。そういうスタンスに自分自身影響されていますし、間下さんの経験を上手く言語化して、仕組化して、ブイキューブのカルチャーにしていきたいなと思っている部分もありますね。エフェクチュエーションの仕組み化を目指してます!

確かに、間下さんのことをそんな風に捉えたことが無かったです。「間下さんだから出来るんでしょ」という声を社内でも耳にするのですが…

水谷

そうなんです、そのように言われてると思うんですけど、僕は違うと思っていて。間下さんもやったからできているだけで。そこで「間下さんだから」って言うのは簡単なんですけど、間下さんから言わせれば「やればいいじゃん、行動したらいいじゃん」の精神なんで。「やってみる」っていう行動力の差なんだって気付きました。

間下さんのことを「努力の人」だって思います。センスとかじゃないです。間下さんだからじゃないです。色んなところに行って、色んな人と話して、色んなしくじりもして、多分人知れず恥もかいて、色んな失敗もしてるから、あんな風になっている。ただ、中に知られてないだけだって、僕は感じますね。もちろんセンスも知見もタイミングも兼ね備えているとは思っています!笑

水谷さん自身のこれまでの話と通ずる部分もありますね。それにしても、水谷さんの自分自身や他者に対する観察力が凄いなと思いました。

水谷

観察力が優れている訳ではないと思いますが、そういう人の成り立ちとか、行動パターンに興味関心が重なるんだと思うんですよね。例えば、面白そうな人がいる時は、声をかけて、「小さい頃、何をやっていらしたんですか?」とか、「今、何を考えてやっているんですか?」とかを聞いています。これが楽しいんですよ。僕は、この人たちがどんな思考の構造でやっていらっしゃるのか、興味があるんです。そういう探求心が強いんだと思いますね。

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以上、水谷のユニークな思考が垣間見える前編となりましたが、いかがでしたでしょうか?

インタビュアーの私自身の感想としては、一見遠い存在に思える役員になるような方でも、やってきたことは地道な積み重ねなのだという発見があり、「まず、やってみること」の重要性を再認識する機会となりました。

続く後編では、そんな水谷の考えるブイキューブについて、ビジネスや人の視点から語ってもらいました。どうぞお楽しみに!

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