ブイキューブらしさって何だろう? ミッション、バリューそしてピープル・サクセス ポリシー

今村 亮(Imamura Akira)
ピープル・サクセス室
今村 亮(Imamura Akira)

数社の人事担当を歴任し、2016年、ブイキューブに参画。2017年より管理本部人事グループマネージャー、2020年よりピープル・サクセス室 室長。
人事全領域をカバーする。

会社創立20周年にあたる2018年に、ブイキューブは現在のミッション、バリュー(以下、MV)を策定しました。それまで暗黙知として脈々と受け継がれていたブイキューブらしさを表す文化、そして未来に向かって何をなしていくのかの意志、それらをまとめ、会社も社員も一緒になってMVという形に落とし込んでいます。
MVが礎となり2020年にブイキューブ式人財方針として「ピープル・サクセス ポリシー(以下、PSP)」が策定されました。今回はこれらに秘められた想いや意図を、解説したいと思います。

ミッションとバリュー

MVはそれぞれこのように定義しています。

MISSION:使命・存在意義、なんのために存在するのか

VALUE:価値観、行動指針、我々は何を大切にし、どう行動するのか

これらの密接な関係から、通常は経営陣などの少数もしくは外部のコンサルタントなども参加してとことん議論を尽くして創り上げる事が世間では多いように見受けられますが、ブイキューブは100%オーガニックに会社製です。しかも、
ミッション=経営陣で考える
バリュー=みんなで考える
という恐ろしく手間のかかる方法でつくられています。当時は、20周年を迎え、創業当時から支えてくれている人、その後に参画された人、様々なバックボーンを持った人が混在する中で、再度自分たちの向かうべき道を確認しようと、多くの声を向き合い、皆の想いをつなぐMVとはなにか、を模索したためです。

ミッションはまず、わりに身近なところにヒントが落ちていました。
「Evenな社会の実現」は、もともと採用HPの社長(当時)インタビューで創業者である間下が発した一言でした。採用にかかわる者(=筆者など)にはすでになじみのある表現で、そう決まったことに多少驚くとともに納得感もありましたが、役員同士の間でもミッションとしてとてもイメージしやすい言葉だったとのことで、すんなりと決まっていきました。

ブイキューブの考える「Evenな社会」とは、機会を平等に選択できる社会を意味します。

例えば
・地方に住んでいて生じる首都圏や大都市圏との情報や教育の格差
・物理的な距離により経験できない仕事や受けられない高度な医療
・変革できないワークスタイルによって生じる育児/介護離職やキャリアの諦め

といった何かが障壁となって失われる機会に対して

・リモートコミュニケーション
・ワークスタイル変革
・イベントなどのリモート参加
・オンライン手続き
・サードプレイス(会社と自宅以外でオンラインで社会とつながれる場所)の提供

といった切り口でその機会を創造し、誰もが機会を失うことのない社会です。ブイキューブは企業活動を通して、そうした社会課題に対する解決の一助となることを目指しているのです。

そしてバリューです。まず、ミッションとバリューのつながりとして「Evenな社会を実現する」推進者であるために、唯一無二の存在でありたい、という決意から「To be “The One”」という表現を加えて、以下そのための3つのバリューという形をとっています。どのバリューも策定のために行われた社員のアンケート・ワークショップを通じて交わされ、皆が「しっくりくる=大切に思っている」言葉や概念をベースにつくられています。

次のあたりまえをつくる(Next ATARIMAE)

 3歩先を見て課題を見つけ出し、常識や慣習に囚われない論理的思考で解決策を考える。
 自ら行動し、仲間とともに取り組む。よりよい社会の実現を目指し、
 みんなが“あたりまえ”に感じ、利用できる仕組みをつくる。

「次のあたりまえをつくる」は社員のワークショップから生まれた表現で、その場のみんなが一番納得した表現でした。ブイキューブの歩みそのものが常に次のあたりまえを探し、世の中に問う(もちろん成功と言えないものも多数ありますが)ことをつづけてきた、という自負があるため、社員の意識下にすでに溶け込んでいたと思われます。このバリューはブイキューブが事業に取り組む姿勢を表しているともいえると思います。実際にこのバリューを実践すべく、「Next ATARIMAE Challenge(通称NAC)」と呼ばれる新規事業コンテストを行い実際に事業化に向けて歩みを進めています。またこのバリューでは「3歩先」って何だろう、ということも話題になりました。実はこれを厳密に規定しているわけではありませんが、「1歩」ではなく「3歩」である意味を、それぞれが考えてよいと思っています。

自分らしく個が輝ける会社(Stay Gold)

 一人ひとりが情熱と誇りを胸に挑戦を続ける。
 輝ける個が、互いの生き方や価値観の多様性を対話を通じて理解しあい、成長を支え合える会社をつくる。

こちらは先に「Stay Gold」という部分から生まれています。ずっときらきらと輝いていたい、という概念から、ブイキューブにかかわる人財が輝ける会社はどんなものか、を形にしています。このバリューをもとに、人財育成にかかる包括的な施策「The GOLD」は生まれており、評価制度やマネジメント、研修やキャリア支援に至るまで、「成長」「対話」をキーワードに輝ける人財づくりに取り組んでいます。

だれかの幸せをつくる (Make Happiness)

 時間と距離にとらわれない働き方、人と人との豊かなコミュニケーションが溢れる毎日、
 それぞれが描く自己実現を目指せる社会。
 これらを実現するコミュニケーションサービスの提供を通じて、だれかの幸せをつくる。

誰もが思い描く「自己実現」が可能な社会を作ることは、サービスを通して私たちが成し遂げたい姿です。明確に「だれか」を意識してその人(お客様であったり、社会であったり)がどうあるべきかに向かえるお手伝いをし、それがかなうことを「幸せ」と表現しています。ブイキューブが企業活動に込めた想いです。

ピープル・サクセス ポリシー

MVの策定後、さらに人財についてブレイクダウンすることで、今後の人財施策の方向性を定めようという取り組みを進めることとなりました。経営方針としても、今後の会社の成長のカギは「人財」にある、と改めて考えたことから始まります。当時の人事制度もアップデートを必要としており、MVからつながる新たな人事制度の導入は急務となっていたため、まずはその基礎となる人物像に関する定義や、人財分野でブイキューブはどんな方針で施策を行っていくのかを決めるべき、と判断したのです。

人事を担当するピープル・サクセス室(以下、PS室)から以下の項目の原案を作成し、役員を招集して、ヒアリングするところから始めました。

1.成長と自己実現(どの様な人財育成を行っていくのか、社員に何を求めるのか)
2.求める人物像(ブイキューブへの参加資格ともいえる基礎事項)
3.成果と報酬(成果とは何か、そしてどの様に報酬で報いるのか)

1についての核は、社会に貢献できるビジネスを創出できる人財づくりを求めること、また社員にも自分の成長の責任を負ってもらうことです。
3も同様に、成果の基準として、ミッション実現のための貢献またはバリューに沿った行動がどれだけ周囲に影響を与えたか、定め、利益をできるだけ報酬として還元する、という会社の約束事が定められています。これらは原案に沿った形のものとなりました。
しかし2の人物像については、それまでブイキューブを支えてきた経営陣の経験から、ブイキューブで成功できる人のイメージが次々に語られ、これらきれいな一つの文章にまとめるより、箇条書きのままで公表した方が伝わりやすい、との判断から原案とは全く異なる現在の箇条書きスタイルとなりました。さらに、ブイキューブで失敗する人のイメージもある程度明確に持っている、との声があり、「望ましくない人物像」が加えられました。こちらも公表することで求職者の皆さんにもあらかじめ知っておいてもらおう、とのことで、開示することにしました。
また、我々が取り組んできた先進的なワークスタイル(Orange ワークスタイル参照 )は、すでに社員にとっても心理的な報酬で、ワークスタイル変革もこのポリシーにとってもとしては欠かせないもの、との意見から、「ワークスタイル」という項目を追加することで今の形となりました。

1.成長と自己実現
2.人物像(求める人物像・望ましくない人物像)
3.ワークスタイル
4.成果と報酬

このポリシーは、2020年8月に公開され、採用ホームページでも閲覧可能となり、多くの採用候補者から共感の声をいただいております。また、新しい評価制度も、このPSPに紐づけて設計され、どんな行動が求められるのかも明確になっています。

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