【The GOLD施策紹介】対話力向上プロジェクトとは?

迫 紗央里(Sako Saori)
ピープル・サクセス室
迫 紗央里(Sako Saori)

2012年キャリア入社
採用として入社し、育産休を経て、人財開発・組織開発に従事。挑戦・成長の40代です。
家族でキャンプ沼にはまっています△

ブイキューブ式・人財育成の仕組み「The GOLD」の一施策として、2022年より「対話力向上プロジェクト」を開始しました!

「1on1の質の向上」を目的に取り組んでいる本プログラム。
今回の記事では、プログラム始動の背景や概要、込められた想いなどをお伝えします。

実施背景:「1on1の質の向上」

みなさんは「1on1(ワンオンワン)」という言葉を聞いたことはありますか?
1on1とは、上司と部下が1対1で行う、定期的な面談のことです。
インテルやグーグルなどの米国企業がマネジメント戦略として活用し、日本でもヤフーや楽天、ソニー、カルビーをはじめ、多くの企業が導入しています。

ブイキューブでも、2021年の新人事制度のスタートと同時に、「1on1 基本指針」を提示し、その中で基本となる「型」を周知しました。

2021年の新人事制度施行とともにに公表した「1on1 基本方針」

1on1の重要性

「1on1 基本方針」を作成したのは、
1on1が重要であると考え、その上で、1on1の数と質の向上が必要であると考えたためです。

まず、どうして1on1に着目したかというと、
一人ひとりが主体性を持ち、成長することこそが、VUCA時代を生き抜く企業の武器になるという考えからです。

背景の思想としてあるのは、MIT元教授のダニエル・キム氏が提唱する「成功循環モデル」で、
このモデルでは、成果を最大化するには、結果の質から高めようとするよりも、先に関係の質を高める方が結果の質向上につながるとされています。

「関係の質を高める」とは、上司やチームメンバー、関係者との対話を増やすこと、そして、対話の質を上げることを意味していて、
中でも、組織の成果に責任を持ち、部下の成果創出と成長支援を担う上司との対話は、成果を上げる上で欠かせません。

また、ブイキューブ式・人財育成の仕組み「The GOLD」(GOLDサイクル)の図でも「1on1の深化」が、「対話」と「挑戦」の間に組み込まれています。(右側の赤枠内)

つまり、関係の質を高め、経験から学ぶ土壌をつくることが大事で、
そのための対話であり、1対1の方がその効果は高い という考えから、「1on1」は重要であると考えているのです。

1on1の数と質について

1on1に対する考え方を説明したところで、次にいかに1on1の「数」と「質」を高めるか です。

「数」は上司部下双方の努力で増やせるかもしれませんが、「質」に関しては上げろと言われて上げられるものではないですよね。

実際、1on1を行う管理職からも、
「自分の対話力を客観視して、判断するのが難しい」
「自分自身が良い1on1を受けたことがないから、どういう状態を目指せばよいかわからない」
という声があがっていました。

「対話力向上プロジェクト」発足

そこで、1on1の「質」の向上、対話スキル強化のために始動したのが、「対話力向上プロジェクト」で、
対話力向上のひとつの手法として「コーチング」を学んでいます。

「コーチングとは?」を、書籍やインターネットで調べると、その定義はさまざまですが、
世界最大規模のコーチング・ファームである株式会社コーチ・エィでは
「自発的行動を促進するコミュニケーション」(引用:コーチ・エィ アカデミア「コーチングとは?」と定義しています。

この、「自発的行動を促進するコミュニケーション」が、「1on1の質向上」のうえで、ヒントになると考えたのです。

なにを行ったか

コーチングを学ぶはじめの一歩として取り組んだのは、参加者自身がコーチングを体験すること
約3か月間(約60分×全6回)、プロコーチのコーチングを受けられるというプログラムです。

まず体験してもらう主な目的は
1:参加者自身がコーチングを受けることによって、「よく聴かれる」体験をすること
2:参加者自身が抱えている課題に対して捉え方や行動の変化を実感してもらうこと

先述した“「自分自身が良い1on1を受けたことがないから、どういう状態を目指せばよいかわからない」“という課題に対応しています。

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 ■「コーチング体験」実施概要
  頻度)月に1-2回(原則 隔週実施/コーチと都度日程調整)
  時間)1回あたり約60分
  期間)3-4か月(7月開始予定)

 ※7月にキックオフ
 →8月に中間振り返り会
 →10月におつかれさま会
 を実施して参加者どうしでの気づきや学びを共有する機会も
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どのように行ったか

初年度は、32名の応募があり「全員が参加」できることになりました。

このプログラムを実施できたのは、当社の社外取締役・常勤監査等委員である福島 規久夫さんの存在が欠かせません。
実は、福島さんは国際コーチング連盟マスター認定コーチ (ICF MCC)の有資格者で、コーチのお知り合いも多く、
32名全員を受け入れられるよう、お知り合いのコーチの方に協力を呼びかけてくださったのです。

ちなみに、私自身も「対話力向上プロジェクト」に手を挙げた一人です。
2022年の7~10月でこのプログラムでコーチングを受けさせてもらい、
とても効果を感じたので、現在はプライベートで(自分でお金を払って)同じ方にコーチをしていただいています。
そして、2023年6月からはコーチングスクールに通う予定です!

結果はどうだったか

さて、3か月にわたる「対話力向上プロジェクト(コーチング体験)」を経て、参加者は何か変化を感じたのでしょうか?

プログラム終了後にとった「コーチングは有効でしたか?」というアンケートでは、
(1-有効性を感じなかった〜5-有効性を感じた)という選択肢に対し平均スコア4.45を記録しました。

また、プログラム終了時に行った「おつかれさま会」では、以下のようなコメントが出ています。
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 〈部下に向き合う姿勢〉
 ・結論を急いでアドバイスしない、解決策を提示しなくなった。
 ・自分の相手に対する「想い」を率直にぶつけてみる。そして、期待してみる。

 〈問いかけ〉
 ・問いかけると信頼関係を築くことが出来る。問いかける側も、気づく事が出来た。
 ・そもそも問いかけではなく質問になっていたと気づいた。
 ・人と話す際にどうしてそう思うか?どうやったら解決できるか?を問うようになった。

 〈自己理解、他者理解〉
 ・相手は相手、自分は自分と個別化して考えられるようになってきた。
  そのことで相手に同じものを求めることがなくなってきた。
 ・自分と全く違う価値観を持つ人は考え方のプロセスも全く違うということに気づいた。
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みなさん、読んでみていかがですか?
「こんな風になれたら良いな…」と思うものも、あるのではないでしょうか。

今後の展望:コーチング実践編へ!

コーチングの前後の変化で興味深いのが、「対話に関する課題」です。

自身の「対話に関する課題」について選択してもらうと、
実施後の方が課題数は減っているのに対し、3割の参加者が、新たな課題を発見していました。

コーチングを受けることで自分自身の課題に向き合うことができたり、「理想的な対話」体験を通じて目標水準が高まったりした結果だと考えられます。

青:事前レポート / 赤:事後レポート

そんな、「対話に対する課題」を解消すべく、「対話力向上プロジェクト」は次のステップへ進みます。

今回の記事でご紹介したのは、“コーチングを体験できるプログラム”=「体験編」ですが、
2023年からは、“自分自身がコーチングをできるようになるプログラム”=「実践編」をスタート!
(「体験編」に参加した方で、1on1などの実践機会がある方という参加条件つき。)

実践編では、福島さんからの講義とロールプレイ、参加者同士の共有やフィードバックを組み合わせたプログラムを実施予定です!

こちらも実施後に、ピープル・サクセス サイトでご紹介しますのでお楽しみにー!

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