〈CDOインタビュー〉~データを活用し、未来を創造する~CDO花輪の挑戦(前編)

花輪 俊行(Hanawa Toshiyuki)
インタビューされた人
花輪 俊行(Hanawa Toshiyuki)

CDO
2009年キャリア入社
2022年7月 CDO就任

迫 紗央里(Sako Saori)
インタビューした人
迫 紗央里(Sako Saori)

ピープル・サクセス室
2012年キャリア入社

みなさん、こんにちは。ピープル・サクセス室の迫です。
今回は、ブイキューブの初代CDO 花輪(はなわ)さんへのインタビュー記事をお届けします。

CDOとしてどんなミッションを担い、どのようなことに取り組んでいるのか。
「前編」では、CDOに繋がるキャリア、花輪さんのルーツを学生時代まで遡って紐解いていきます。

花輪さん、本日はお時間をいただきありがとうございます!
まずは花輪さんがどんな人なのかを知りたいので、自己紹介をお願いします。

花輪

よろしくお願いします。
ブイキューブとの出会いを遡ると、創業者である会長の間下さんや社長の高田さんと同じ大学で、アルバイトのようなかたちで携わっていました。その後、就職活動を経て別の企業に入社し、2009年にブイキューブへキャリア入社して、現在に至ります。
入社当時は今でいうSEのような役割でしたが、しばらくして当時の営業本部長から声がかかってプリセールスとなり、その後技術本部に移って品質保証やプロダクトマネジメントを担当しながら、技術本部の副本部長に就任しました。2015年にはシンガポールに赴任して、インドネシア、マレーシア、タイなどのエンジニアチームのサポートや数字管理を行い、再び技術本部の副本部長職を経て、2022年にCDOに就任したという経緯です。

海外のブイキューブグループのメンバーと(左下の青いTシャツを着ているのが花輪さん)

CDOとしてのミッション

ありがとうございます。
花輪さんはブイキューブ初のCDOですが、どんなことに取り組まれているのでしょうか?

花輪

はい。CDOとして「データ駆動経営の早期実現」「データ活用による業績の拡大」をミッションとしているのですが、今は1stミッションとして前者の「データ駆動経営」を進めています。

これまでのブイキューブは、“小さい規模で小回りよく”、“みんなで同じ方向に向かって走れば、売り上げは後からついてくる”という感じでした。ただ、会社の規模も多少大きくなってきて、一方で俊敏さは失ってはいけない。加えて、大きなお客様も増えているので、その事業は残して守っていかなければいけない‥という際に、中の状況を正しくモニタリングできないと、「こんなはずじゃなかった」というようなことが起きてしまうかもしれない。そうなると、経営に大きなダメージを与えかねないので、正しくモニタリングできる状態をつくることが求められているんですね。今のブイキューブのフェーズにおいてものすごく必要なものだと感じているので、個人的にも強い想いを持って進めています。

※CDOとしての活動は「後編」でもお伝えします!

これまでのキャリア

「前編」では花輪さんのルーツを探っていきたいので、まずは過去のお話から聞かせてください。
これまでの経験で、CDOとしての活動に活かせていることはありますか?

花輪

僕はある程度一貫して同じようなことをやっている、と言いつつ少し矛盾しますが「何でも屋」をずっとやっていて、もう一つは「プロジェクトマネージャー」と言うとちょっとかっこよすぎるんですけど、「仕事を整理して、流す」つまり、“誰が何をどうやっていくか“決まっていないことを、「整理して」→「こんな風にやっていきましょう」を決める‥みたいな。そんなことをずっとやってきている感じですね。

先ほどの何でも屋さんの話とも繋がりますが、「データ駆動経営」を進めるにしても、非常に幅広いデータを扱っていて。会社の売上に関わる数字が、いろいろなところに散らばっていて、どうまとめて良いかわからないとか、どう流して良いかがわからないというものを、整えてきれいにして、見えるようにしよう、シミュレーションできるようにしよう、というようなことをやっているんです。
その中でちょっとしたプログラムみたいなものを作ったり、大量のデータを効率的に扱ったりするのはエンジニアとしてやってきたことがそのまま使えているので、間違いなく、今までやってきた仕事の延長上にありますね。

ブイキューブでアルバイトをしていた学生時代

更に遡りますが、冒頭、学生時代にブイキューブでアルバイトをしていたお話がありましたよね。
ブイキューブとの出会いと、当時どんなことをされていたのか教えてください。

花輪

間下さんと高田さんと同じ大学ではあったんですが二人のことは知らなかったんです。僕の部活の先輩がブイキューブの創業時のメンバーで、その人に「ちょっと手伝いに来てよ」と誘ってもらったのをきっかけに、プログラマーとしてアルバイトをしたのがブイキューブとの出会いです。
その頃のブイキューブは、ホームページの受託開発をしていて、僕も某銀行のWebサイト制作に携わっていました。当時は10人くらいで、大学の研究室の一角を借りて、そこに集まっていましたね。

いわゆるテレビで見るような夜中にみんなで集まって、徹夜でやって‥なんとか間に合った!みたいなことをやっていた感じで(笑)。そういうの僕、すごく好きなので「ベンチャーっぽいな、楽しいな」と思っていたんですが、その後、就職活動をしてブイキューブではないベンチャー企業に入社しました。
その企業は製造業向けの‥今で言うDXとか、AIとかを先駆けて取り入れていて、すごく面白かったんですけど、いろいろな事情が重なって残念ながら倒産してしまったんです。これからどうしようかな‥と思っていたときに、高田さんから声を掛けてもらって、2009年にブイキューブに入社しました。

北海道の大学へ通っていた頃の花輪さん
大学の研究室で活動していた頃の 間下さんと高田さん

学生ベンチャーっぽさを感じます!
大学時代はどんな研究をされていたんですか?

花輪

大学時代は理系専攻‥ではあるんですが、実はバイオ系で。
再生医療とか、人工肝臓を作るような研究をやっていました。本当はそういった道に行きたかったんですが、ちょっと食べていくのが難しそうというのがわかって諦めたという感じです。ただ、今もヘルスケアバイオとか、そういう分野への興味はありますね。
元々研究職に就きたかったのと、ちょっと変わったことが好きだったんです。2000年前後ぐらいの時にバイオブームみたいなものがあって、これから新しいことがいろいろできそう!というのと‥僕自身、SFオタクみたいなところがあるので、今でいうAIとか人工生命とかにすごく興味あったんです。その関連で、大学のお金で一年間弱ぐらい北海道の大学に交換留学のようなかたちで行かせてもらえたりして。そこは医大だったので、お医者さんと一緒にラットの手術を習うなど、すごくいい経験をさせてもらいました。

情報工学系ではなかったんですね!
「AI」などの興味関心が、新卒で入社した企業と繋がっているんでしょうか?

20年以上前に挑戦していた「機会学習」

花輪

そうですね。新卒で入った会社も、僕をブイキューブに誘ってくれた先輩が「こんな面白い会社だよ」と教えてくれて、調べてみてみたんですが、代表の方がものすごいビジョナリーで先進的なことをやられていたので、面白いなと思って入りました。実はその方、1990年に3Dプリンターを日本に持ってきて商売を始めていたんですよ。

ちょっと話が広がるですけど、日本の高齢化問題って2000年頃の製造業に大きく影響していたって知ってます?
何かって言うと、当時の日本の製造業は「熟練工の手技」とか「あの人にしかできない」って技術で支えられていたところが数多くあって、その方たちがどんどん年を取り、技術を継承できる人がいなくなってしまうってことが起こっていたんです。だから、全部コンピュータに移して、ロボットが同じ動きをできるようにすれば、技術は継承できるし、人件費も軽減できるし、製造業で世界と戦えるんじゃないかってことで、職人の技を機械に覚え込ませるということをやっていたんです。

そしてその更に次のステップとして、職人の手技だけじゃなくて、「思考」に注目して。優秀な人の「考え」って実はパターンがあるから、それを分析して、ナビゲーションシステムを作って、そのシステムが言う通りにやれば経験の浅い若い人でもベテランの設計者と同じアウトプットが出せるのでは?みたいな。今、ChatGPTとかでやっているようなことを2000年ぐらいのときに自力でやっていたんですよね。
すごく優秀な人たちがいっぱいいて、みんなで頑張ったけど、当時はなかなかうまくいかなかったっていうところですね。

20年前以上にそんなことをやっていたとは。
すごく先見性があるように思いますが…早すぎちゃったんですかね。

花輪

そうですね。早すぎちゃったんでしょうね。
AI技術が取り入れられていたら、ちょっと違っていたかもしれないです。

2000年くらいの頃、何のヒントもない中で「機械学習」の論文とか読んだんですが‥でも全く意味がわからなくて。今思えば「機械学習」って単語まではたどり着いたんですけど、そこから先の発展は見通せなかったな‥みたいな。
僕らの会社はAIではなくて、あらかじめ自分たちで前提条件とそれによって決まる結果のパターンを何百通りも用意しておいて、その時々の条件に応じて、それらを組み合わせていろんな計算をして最終的な答えが返ってくる…みたいなものを作っていたんです。結局、それを製造業の現場に持っていったら、インプットが全部揃っていれば正しいアウトプットは出せるんですけど、「実際の現場で事前にインプットが全部揃うことなんてない」って言われて。曖昧な中でシステムに計算結果を求めるのはむずかしいけど、実際の仕事は曖昧さを多分に含んでいる、という課題をどうするかということの最適解を見いだせなかったんです。
それを、今やAIが超えてくれているので感動して。なので好きっていうのもありますね。

なるほど‥花輪さんのルーツを感じました!

花輪

そうですね。本当にかなり、僕の人生に大きな影響を与えてくれたと感じています。
働き方はとてもハードでしたが、青春時代を過ごした良い思い出です。

~~ 後編へつづく ~~

「前編」は花輪さんの人となりを知るべく、学生時代や新卒で入社した会社の話、そしてCDO就任前後のブイキューブでの話をお届けしました。
「後編」では、現在CDOとして花輪さんがどのようなことを考え、取り組もうとしているのかお伝えします!

最後までお読みいただきありがとうございました。次回もお楽しみに!!

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