【The GOLD施策紹介】マネジメント研修とは?

迫 紗央里(Sako Saori)
ピープル・サクセス室
迫 紗央里(Sako Saori)

2012年キャリア入社
採用担当として入社し、育産休を経て、人財開発・組織開発に従事。
このピープル・サクセス サイトの立ち上げを担当しました!

みなさん、こんにちは。ピープル・サクセス室の迫です。
ますます変化する社会、複雑さを増すビジネス環境に柔軟かつ効果的に対応し、サステナブルな成長を遂げる上で、マネジメントメンバーの存在がもたらす影響は計り知れません。

ブイキューブでは、2021年に「ブイキューブ・マネジメントポリシー」を策定し、それに基づく「マネジメント研修」を2022年から実施。中でも、「チームをつくる」「メンバーの成⻑を⽀援する」といった組織・⼈に関わる役割に焦点を当て、強化をはかっています。
今回の記事では、「ブイキューブ・マネジメントポリシー」をベースに行われた「マネジメント研修」に焦点を当て、その内容や背景、研修後の効果についてご紹介します。

研修実施の背景

【マネジメントスタイルの変化】

社会が変化し複雑性を増す中で、組織と個人の関係性や、マネジメントにおいて期待される役割もまた変化しています。
かつての組織は階層的であり、情報や意思決定は上から下へと一方向に流れることが一般的で、管理職は主に部下に指示を与え、従業員はその指示に基づいて行動するというマネジメントスタイルが取られていました。

一方、現代の組織においては、変化に適応し迅速に対応できる柔軟性が求められ、意思決定や課題解決はグループやチームで行われるようになり、チームワークや協力が奨励されます。
管理職はチームメンバーそれぞれの強みや特性を認識し、チーム力の最大化に向けて支援するスタイルへと変化しています。

【ブイキューブでの変化】

変化の激しいIT業界、COVID-19によって大きなビジネス環境の変化があった私たちも、この「マネジメントスタイルの変化」の必要性を強く感じていました。

また同時に、急激な成長と共に生じた「マネジメントスタイルのばらつき」は、未来に向けた継続的な成長への障害となりつつあると感じていたのです。
この課題に対処するため、マネジメントの在り方を示すものとして2021年に「ブイキューブ・マネジメントポリシー(以下、マネジメントポリシー)」を作成。そして、「マネジメントを担う役職者が役割指標やマネジメントポリシーに沿った役割を果たし、高いレベルでのマネジメントを実現するための教育体系」として、マネジメンター*育成体系を構築しました。
(*マネジメンター:当社では「チームを率いる人」と定義しています。)

「ブイキューブ・マネジメントポリシー」とは?

当社では、創業20周年を迎えた2018年にミッション・バリューを策定したことを皮切りに、2020年に目指す人材像の明確化と人事制度への落とし込みのために「ピープル・サクセスポリシー」を作成。そしてマネジメントの基本となる考え方をまとめた「マネジメントポリシー」を策定しました。

マネジメントポリシーは、マネジメンターを目指すすべての人が身に付けるべき基本教科書であり、チームに参加する全ての人が良いチームづくりの当事者となる共有ナレッジでもあります。
内容は、「マネジメンターの役割」「部下の育成について」「マネジメントに必要なスキル」「リーダーシップ」「コミュニケーションルール」の全6章からなり、第1章の「マネジメンターの役割」には、以下の6つの役割が書かれています。

1.情報に関すること
 ①コミュニケーションのハブとなる

2.人と組織に関すること
 ②チームをつくる
 ③メンバーの成長を支援する

3.仕事に関すること
 ④目標を設定し、仕事を管理する
 ⑤課題を解決する・解決するための資源を確保する
 ⑥意思決定を行う・変革する

また、マネジメントポリシーは、当社が組織マネジメントの分野において培ってきた暗黙知を言語化するとともに、ブイキューブのこれからを見据えた理論や考え方を広く取り入れたものとなっています。マネジメントやコミュニケーションに関する理論や考え方は世の中に数多く存在しますが、当社の組織文化にマッチしたものであることに加え、現時点で先進的かつ広く認知されているものを取り入れていることが特徴です。(そのため、マネジメントポリシーはこれからも進化させていくことを前提としています。)

研修の概要

マネジメントポリシーの理解促進とその実践によって、チームをつくり、メンバーの成長を支援するための研修、それが「マネジメント研修」です。

参加対象は「チームリーダー以上の役職者」とし、チームリーダークラスを参加対象とする「リーダー研修」、グループマネージャー以上の役職者を参加対象とする「マネージャー研修」を実施しています。尚、マネジメントポリシーは「チームを率いる人すべてが理解し実践するための方針」なので、役員や本部長/副本部長もマネージャー研修に参加することとしています。

また、当社の研修プログラムはブイキューブ社内で企画・実施しているものが多いのですが、本研修については、より客観的な視点と専門的で広く深い知見を持ち合わせていることが必要であると考え、外部の研修会社様に依頼しています。
数ある研修会社様とお話をする中で、マネジメントポリシーに書かれている内容で特に強調したい「組織や⼈に関わる役割」に対する考えが非常に近く、職場実践型の研修を数多く手掛ける、株式会社NEWONE 様に伴走いただいています。

~マネージャー研修~
対 象:グループマネージャー以上の役職者
ゴール:ブイキューブで求められるマネジメンターの役割を解釈して、具体的な行動が起こせている状態
期 間:約1年間

~チームリーダー研修~
対 象:チームリーダー層
ゴール:ブイキューブで求められるマネジメンターの役割を解釈して、自分の言葉で言語化できている状態
期 間:約5か月間

研修ゴールを達成するため、
1.受講者にとってのWhy(ストーリー)を作り、施策全体を理解すること
2.職場での実践目標とそれを実践する期間を組み込むこと
3.理解ではなく、“解釈”に変えることを重視し、研修内の気づきとマネジメントポリシーの関連づけを促すこと
に重点を置き、プログラムを進めています。

「マネージャー研修」の全体像。約1年間にわたるプログラムです。

研修後の効果

研修後に行ったアンケートによると、90%以上のマネジメンターが研修前後での「自身の変化」を感じ、研修が「マネジメントの考え方のアップデートに寄与した」と評価しています。また、受講者の声からも、研修が学びだけでなく実践へと繋がり、個々の成長や組織全体の変化に影響していることがわかりました。

以下は、受講者アンケートの抜粋です。

【受講者アンケート(一部抜粋)】

〈マネージャー層〉
・課題に対してのアプローチについて、固定化された考えになっていましたがより広い視野をもって取り組んでいくことが重要だと学んだ。他部署との連携の重要性を感じたので今後に活かしていきたい。
・視座を高めて未来を見据えて自組織をデザインしていくことの大事さとともに、自組織の課題についてグループワークのメンバーから貴重なアドバイスと学びを得ることができました。
・改めて言語化したものを誰かに伝える事で、共感が得られるのはやはりうれしい。それだけではなく、共感をもとに、「良くしよう」という前提があれば、指摘をされることが怖くないと感じられる良いワークショップでした。

〈リーダー層〉
・無意識で実行していることを「意識的に」取り組めるようになった。自分が持ち合わせるチームリーダーとしてのスタンスが具体的に1つの「リーターシップスタイル」として文字化されており、より自信が持てた。
・様々なリーダーシップ・スタイルがあり、場面や状況によってリーダーシップの型をうまく切り替えることが良いことが理解できた。
・自身の経験と、体系的に整理された知見をすり合わせることは有益だと思った。
・普段、部門以外でなかなかできない、他者から見た自分を客観的に見る機会があったことは貴重だった。
・1on1はやり方さえわかれば難しくないと思えた。

アンケートの他、研修中や研修後の様子から、以下のような効果も感じています。

●参加者同士の「相互理解」と「共通言語」の形成
役職や所属部署、年齢、経験…等、様々な属性のマネジメンターが集まり対話を重ねたことで、お互いの違いを認識し、“違い”から新たな気づきを得られたようでした。
また、研修内で頻出していた「We型」「立ち止まることの重要性」「言語化」「対話」などは、共通言語になっていきました。

●会社全体への「学びの後押し」と「メッセージ」の伝達
ブイキューブでは、ここまで長期にわたる研修プログラムを実施したのが初めてだったこともあり、「会社として学びを後押ししている」というメッセージが伝わっていたようでした。
マネジメントポリシーの内容に基づき、その内容をを理解、実践する機会を設けることで、ブイキューブのマネジメンターとして大切にすることが浸透していくきっかけになりました。
また、目標に向かって走り続けるだけでなく、立ち止まって内省したり、学びを言語化したりすることも重要であるという気づきを得ていました。

●「リーダーシップの発揮」と「チームビルディングの成功例」
研修での学びを活かし、自らあるべき姿を設定し、そこに向かって実践している姿も見られました。
例えば、あるマネージャーは、元々部署の方針や進め方を自分だけで決めるスタイルだったのに対し、研修を経て、チームリーダークラスを集めてグループミッション・ビジョン対話会を実施し、「みんなで決めるスタイル」を取っていました。
部署内でのコミュニケーション活性と共有意識の醸成が図られたとても良い事例ですし、それを研修内でシェアすることで他のマネージャーたちにナレッジが共有され、互いに刺激を与え合うことに繋がっています。

研修は全てオンラインで実施。チャットやブレイクアウトルーム機能(フル活用!)によって、「オンライン研修の良さ」も存分に感じられる内容でした。
ワークや発表が盛りだくさん。他メンバーの発表を聞くことで、新たな気づきを得ていきます。
(中央・下から2番目の水色のシャツの方が、株式会社NEWONE 講師 葛西様です)

さいごに

マネジメンターの育成は、組織の文化形成やコミュニケーション強化、メンバーのエンゲージメント向上など、影響は多岐にわたります。そして、これらの要素が組み合わさることで、組織全体が前進し、変化に適応できる力強いチームとなっていきます。

今回の記事では「マネジメント研修」についてご紹介しましたが、マネジメント職として役割発揮の質を高めるため2024年からは「マネジメントスキル強化研修」の拡充も予定しています。

「100年続く会社」を目指す中で、私たちの強みの源泉は「人」にあります。社会の課題に真摯に向き合い、それを事業に昇華するのは「人」の力です。これからも一人ひとりが主体的に学び共に挑戦し続けながら、成長できる環境を築いていきます。

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