「Navel × 女性活躍推進」~インタビューから紐解く、それぞれの想いとは~

今村 亮(Imamura Akira)
インタビュー受けた人
今村 亮(Imamura Akira)

所属:ピープル・サクセス室
入社:2016年キャリア入社

伊藤 慎悟 氏(Ito Shingo)
インタビュー受けた人
伊藤 慎悟 氏(Ito Shingo)

株式会社メデタ
(コウノトリBenefit運営)
代表取締役(CEO)

「はたらく幸せ」と「家族をつくる幸せ」を両立できる仕組みをつくる』をビジョンに掲げ、妊活・不妊治療を進める従業員の方を支援する福利厚生ソリューションを企業に提供。

山口 裕(Yamaguchi Yutaka)
インタビュアー
山口 裕(Yamaguchi Yutaka)

ピープル・サクセス室
2022年キャリア入社

こんにちは!
ピープル・サクセス室の山口です。

本記事では、ブイキューブ ファミリーサポート「Navel(ネーブル)」をアップデートし、ライフサイクルすべての時期に対するサポートへと拡充するために中心的に推進したピープル・サクセス室長の今村と、プロジェクトを進めるうえでアドバイスをいただいた株式会社メデタ代表取締役の伊藤慎悟氏をお招きしたインタビューの様子をまとめた記事となっております。

『Navel』がどんな活動をしているかについては、下記記事をぜひご覧ください。

今村さん、伊藤さん、本日はよろしくおねがいいたします。
早速ですが、今回のヘルスサポートメニューの拡充は育児だけでなく、主に「不妊治療」「妊活」から「産後ケア」までをサポートする制度ですが、あらためて、この拡充に至った経緯を教えてください。

今村

2017年頃から「Orangeワークスタイル」の中で、仕事と子育てを両立できる環境をつくっていくために、ブイキューブはどう貢献できるかを考え取り組んでいて、2022年の4月に『Navel』というプロジェクト(過去記事参照)が正式に立ち上がり、最初に育児期に関するファミリーサポート制度をつくりました。

『Navel』の活動は、ミッションである「Evenな社会の実現」のため「働く」という選択肢が奪われることのないように支援をすることです。
「子を育みたい」という『自己実現』と同時に、「キャリアをつないでいく」という『自己実現』どちらも両立できるよう支援していくことを考えた時、伊藤さんが行っている事業にもつながりますが、育児期だけでなく、ライフサイクルに合わせ、以下のそれぞれの時期に支援することで、包括的な支援を可能とする制度にアップデートすべきだと考えました。

育児期だけでなく、その前や産後に関するステージにも目を向けたのですね。
伊藤さんはプロジェクト立ち上げの段階から参画されていたのでしょうか?

伊藤氏(以下伊藤)

実は私がこの会社を起業する前に、前職で人材紹介関連の仕事をしていたのですが、その頃に御社と一緒に仕事させていただいたことがあるんです。
その後、起業したタイミングで、私からお声がけさせていただきました。
最初は弊社のサービス利用ではなくて、御社が行っている『ブイの日』に「不妊治療をテーマにしたセミナー」を開催させていただいたのが始まりでしたね。

今村

そうですね、2021年頃だったと思うのですが「V-CUBE ダイバーシティ、イクイティ&インクルージョンプロジェクト(以下DE&I)」に、ちょうど「不妊治療」を経験したメンバーがいたので、それをテーマにした企画を開催したいという話があって、お願いしました。

伊藤

そのセミナーもありがたいことに、たくさんの方が参加してくださり、実際に当事者の方のお声もいただきました。とにかく真剣に聞いてくださる方が大勢いらっしゃったことがとても印象深かったですね。

今村

そうですね、当時女性活躍推進法で求められる目標設定をすすめなくてはいけないという課題もあり、社内で議論が始まったばかりでしたので、「不妊治療」をテーマにしたセミナーは変化の1つのきっかけになったと思います。
というのも、今まで社内でこの話題について大きく語られたことってなかったんですよね。

『Navel』も立ち上げ当初は、まず育児期の支援から充実させていこうと進めていましたが、セミナーに参加した社員の声だけでなく、潜在的にも相談できずに悩んでいる社員がいる、というのをあらためて感じ、育児期より前の「妊活・不妊治療」にも支援が必要だ、という考えに至りました。

そこからDE&Iメンバーと伊藤さんに参画していただいて、育児期だけによらない全体的なヘルスケアプランを考え、さらにブイキューブとしての女性活躍推進の在り方を意識してアップデートに至りました。

このプロジェクトを一緒に進めていくなかで、伊藤さんが感じたブイキューブの文化というものはありましたか?

伊藤

そうですね、弊社のようなサービスは、本質的には導入そのものよりも、導入前後の工程がとても重要だと思っています。
テーマ自体がセンシティブですし、中長期的な施策になるので、どうしても手段が目的化しやすい領域です。
どれだけ前の工程で「何のために導入するのか」「どのぐらいの状態を目指すのか」それに対して支援が適切かどうかを、しっかりと経営陣と合意、認識形成をしながら進めることが大事なのですが、御社はそれをとても丁寧にされていたと思います。

センシティブな内容ほど、声に出しづらいので、誰かがリーダーシップをとっていかないと進まないことが多いんです。
御社は男性の割合が多く、会社組織も常に変化していくので、難しい状況だったと思いますが、当事者や強い想いを持った方がリーダーシップを発揮されていたので良い方向に進んでいたと思います。
さらには妊活や不妊治療、女性活躍自体が目的ではなく、「Evenな社会の実現のため」に進めているということを、なによりも真剣に考え、受け入れてくださる社風や文化が、私としても提案しやすい空気感になっていたので良かったですね。

今村

そうですね、最初に当事者としてリーダーシップを発揮してくれたのが男性社員だった、というのも結果的に良かったのかもしれません。
一般的に男性のほうが勝手にタブーの領域だと気を遣ってしまうことが多いのですが、そこは我々が「恥ずかしい話ではなく、当たり前にして良い話なんだよ。」と、オープンでいるほうが良いと感じていました。
性別がどうこうではなく、男女間のタブーを減らしていく、無くしていくことが最終的には「Evenな社会の実現」につながっていくと思っています。

理想はお互いに男性の立場、女性の立場を知っていて、互いに尊重し合いながら情報交換できた方が良いと思いますし、勝手にタブーにしてしまうと何も進まなくなってしまうので、そこは施策を進めるにあたって意識したところかなと思います。
だから女性のためだけじゃない、というのは強く伝えていて、とにかくEvenな状態に持っていけたらという想いがありましたね。

伊藤

仰る通りかもしれませんね。今村さんが男性っていう生物学的な性であり、ジェンダーフリーの立場で進めていた、という点は大きかったと思います。
これは私の経験談になってしまいますが、D&I担当者って想いを持たれてる方が特に女性が多く、担当として任命されることも多いんです。
ただ、男性が多い会社の中で女性がそういった担当になった時に、どうしても反発が起きてしまうこともあって。
御社は、メンバーの皆さんが「社員みんなが気持ちよく働けるように」という想いを根本に持っていたことが本当に良かったと思います。

センシティブな内容だからこそ、男女関係なくオープンにしていこう、という考えや行動が良い方向に進んだというわけですね。
とはいえ、前後の工程がとても大事だと仰っていましたが、プロジェクトを進めていくうえで難しかったことはありましたか?

今村

難しいことばかりでしたね。
お金をかける以上、「なぜこれをやるのか」という意義を求められるのですが、女性活躍推進のためっていうだけだと、経営陣は男性なのでピンと来ないことが多くて。
ではなぜ女性活躍推進が必要なのか?っていうところの合意形成は、とても気を遣って進めていました。
とくに先ほど伊藤さんが仰ってくださったジェンダーフリーという立場を意識して伝えていましたね。

例えば、マネジメントを担っていく人財が不足しているとして、そういう時に能力があるのに女性だから諦めなきゃいけないとか、会社としてそれを容認してしまっているようでは本当に社員の能力を引き出せているとは言えないですよね。
男女関係なく、能力を持っていながら発揮できない状況を、いかに発揮できるように引き出していくかが大切なんです、ということを経営陣に投げかけていました。

そのタイミングで嬉しいことに育休を取得する男性社員も増えてきており、今まで当然の事だと思っていた、男性は子どもが産まれても働く、女性は育休を取得する、という考えが徐々に薄らいできたなっていう機運がありました。
子どもが産まれたら男性もお休みをするので、組織のことを考えなくてはならないですし、男女関係ないですよねっていうのはリアルに経営陣には伝えられたと思います。

伊藤

機運があったと仰っていましたが、何かあったんですか?

今村

そうですね、トップの考え方の変化の影響も大きいと思います。
それこそ不妊治療の話が社内でされ始めて、少しずつ感化されていってくれたんです。
「これからはそういう考え方を持っていかなきゃいけないよね」ってマインドの部分に変化がありました。

伊藤

たしかにトップから考え方が変わっていく兆しがあるだけでも、周囲の影響って大きいですよね。

今村

本当にそう思います。
次世代を担っていくと目される人財が、そういうセンシティブな面に直面して、実際に家庭も大事にしていく姿勢を見て、さらに周囲の考えが変わったなと感じますし、そういったことを1、2年かけて対話を続けてきて、ようやく実を結んだなと。

経営陣へのマインドの変化には、ジェンダーレスという立場で対話を進めていった今村さんと、実際に男女関係なく育休を取得していった社員の影響が大きかったということですね。
最後に今後の『Navel』としての活動、女性活躍推進とその展望について聞かせていただけますか?

今村

今は認知が徐々に上がってきているなと思っていて、『Navel』やその支援制度についても利用している人たちも増えてきています。
今後は、男女関係なく、当たり前のように使ってくれるものを目指していきたいなと考えています。

家庭生活での自己実現と、仕事での自己実現との両立を最適な形で選んでいけるようになると、本当の意味で女性活躍推進的なところにも効いてくると思っています。
つまり、誰もがキャリアを諦めなくて良いということですね。

と同時に、僕らは、それぞれの社員の能力をしっかりと見極めて、適材のところで輝けるように会社として仕組みづくりをしていく必要があると考えているので、そこが次のポイントですね。
それができて初めて、男女関係ないよね、という「Evenな社会の実現」に近づいていけると思っています。

伊藤

そういった面では実際に利用されている社員の方の声を聞いている立場としては、少しずつかもしれないですが、御社は近づいているんじゃないかと思います。

「今回のヘルスケアの制度のおかげで、改善されて出勤できている」という声があったりするので、会社で支援していることに感謝している方々もたくさんいらっしゃるんです。

他社の方に御社の事例を話すこともあるのですが、産後ケアまでこんなに大きく支援されていてすごいですね!と驚かれますよ。

今村

そう言ってくださると、ヘルスサポートメニュー拡充を進めてきて良かったなと思います。これからも頑張っていきたいですね。

今村さん、伊藤さん、本日はたくさんの想いを聞かせていただき、ありがとうございました!

いかがでしたでしょうか?
ブイキューブの福利厚生でもある「Navelファミリーサポート制度」がどのようにしてつくられたか、知っていただけたかと思います。
これからもブイキューブは「Evenな社会の実現」のために、働く人たちの支援を行っていきます!  

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